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記事: フェアトレードと服|アパレル業界に求められる対策

フェアトレードと服|アパレル業界に求められる対策

みなさんは、フェアトレードという言葉を聞いて何を想像しますか?コーヒーや紅茶、チョコレートなど、食品に関するイメージが一般的かもしれません。しかし、今フェアトレードは食品だけでなく、洋服づくりにおいても注目されています。

 今回、植物由来の天然素材で新しいライフスタイルを提案するブランドカポックノットが、フェアトレードと洋服づくりの関係性や、アパレル業界に求められる対策についてご紹介します。

 

〜本記事の内容〜
・フェアトレードとは?
・アパレル業界とフェアトレード
・アパレル業界に求められるフェアトレード
・フェアトレードのブランド紹介
・カポックノットとフェアトレード

 

フェアトレードとは?

 フェアトレードとは

フェアトレードは「公平・公正な貿易」という意味です。発展途上国から、原料や製品を適性な価格で購入することで、生産者や労働者の自立を目指す貿易のことを表します。

 例えば、スーパーマーケットに行ったとき。途上国で生産された食料品が、驚くほど安い値段で販売されているのを見たことがありませんか?この安さの裏では、生産者に正当な対価が支払われていなかったり、生産性を上げるために大量の農薬が使用され生産者に健康被害が及んでいたり、という実態がありました。

生産者が品質の良いものづくりを続けていくには、労働環境や生活水準が保障される必要があります。そんな問題意識のもと考えられたのが、フェアトレードの枠組みです。

 

アパレル業界とフェアトレード

アパレル業界とフェアトレード

フェアトレードと言えば、以前は食品のイメージが一般的でした。しかし今、アパレル業界でもフェアトレードは非常に注目されています。そのきっかけは、ある悲惨な事故でした。

2013年4月24日、バングラデシュで1,000人以上の死傷者を出す事故が起こりました。首都ダッカ近郊の縫製工場が入ったビル「ラナ・プラザ」が崩落したのです。事故前日、縫製工場の従業員の方々は、ビルの壁や柱にひびが入っているのを発見していました。上司に報告したものの無理やり働かされ、翌日もミシンなどの機械を稼働。その振動が建物を揺らし、崩落を引き起こす原因となりました。

バングラデシュにおいて、アパレル産業は国内輸出の約80%を占める主力産業です。しかし、この崩落事故をきっかけにその労働環境が非常に劣悪であったことが明らかになりました。そしてその背景には、先進国のファストファッションブランドが、安価に大量生産を行うための労働力として、発展途上国に依存しているという事実があったのです。

こうして、アパレル業界においても「生産者にとって不利益ではない取引」というフェアトレードの考え方が注目されるようになりました。

 

アパレル業界に求められるフェアトレード

アパレル業界に求められるフェアトレード

それでは、アパレル業界でのフェアトレードとは、どのような取り組みを指すのでしょうか。そのキーワードは、「透明性」です。

従来、アパレル業界は素材メーカー、生産工場、物流会社、小売店など、さまざまな企業の分業によって成り立つビジネスモデルでした。そのため、自社ブランドの製品の生産背景を知らない、ということも珍しくなかったのです。しかしフェアトレードの意識が高まってきている今「この服はどこで作られたのか」と、生産背景を明らかにしている企業が増えています。

 「エシカルファッション」や「サステナブルファッション」。こんな言葉をうたっているブランドを耳にしたことはありませんか?「エシカルファッション」は、直訳すると「倫理的・道徳的なファッション」のこと。具体的には、素材の選定や生産、販売までの全ての工程において、人と地球環境に配慮したブランドのことを指します。また「サステナブルファッション」は、その名の通り「持続可能なファッション」のこと。こちらも人や環境に負荷をかけることなく、半永久的に続けられる洋服作りを目指したブランドのことです。

私たちは「エシカルファッション」や「サステナブルファッション」の洋服を選ぶことで、アパレル業界のフェアトレードの取り組みを応援できるというわけです。

 

フェアトレードのブランド紹介

それでは、実際に「エシカルファッション」「サステナブルファッション」として、フェアトレードの取り組みを行っているブランドを3つご紹介します。

①People Tree(ピープルツリー)

People Tree

出典:https://www.peopletree.co.jp/special/oc/01.html

日本のエシカルファッションの先駆者的存在。「人も木も地球に生きる全てがフェアに暮らせる世界に」というコンセプトでものづくりを行う、フェアトレード専門ブランドです。ロゴのついているアイテムは、100%フェアトレード認定の製品。加えて、生産者の労働環境に配慮した独自のオーガニックコットン製品も取り扱っています。

 

②EverLane(エバーレーン)

EverLane

出典:https://seimukawahara.com/everlane-businessmodel/

アメリカで設立されたエシカルファッションブランド。その特徴は「完全透明性」です。生産工場の内部や製造過程、各商品にかかっているコストなどをすべて公開し、1商品あたりのブランドへの利益が分かる仕組みになっています。2019年2月からは日本公式サイトもオープンするなど、今大注目のブランドです。

 

③Patagonia(パタゴニア)

Patagonia

出典:https://www.patagonia.jp/our-footprint/fair-trade.html

アウトドアスポーツ用品などで有名なパタゴニア。早くから地球環境問題に取り組んでおり、リサイクル資源を活用したアイテムなどを販売してきました。フェアトレードの取り組みとしては、インドやスリランカなどの工場における労働環境に配慮。フェアトレード製品を1点販売するごとに、工場に対して賞与(プレミアム)を支払い、労働者の生活を支えています。

 

カポックノットとフェアトレード

カポックノットとフェアトレード

ここまで、フェアトレードとアパレル業界の関係性についてご紹介してきましたが、実はカポックノットもフェアトレードを行うブランドの1つです。私たちが洋服づくりに使用している素材「カポック」は、インドネシアが原産の植物。現地の農園や、加工工場、縫製に至るまで、どの工程に誰が関わり、どのような方法で作られているかをブランドとして把握しています。そして、関わるすべての人に、過度な負担を強いることのないものづくりを行っているのです。

 

フェアトレードな洋服を選ぼう! 

アパレル業界のフェアトレードは、洋服づくりに関わる人々の生活を豊かにします。多くの人がフェアトレード製品を選び、業界全体にこの考え方が浸透すれば、今よりも幸せに暮らせる人が増えていくことでしょう。そしてそれは高品質なものづくりへとつながり、私たちのもとに返ってきます。

さあ、カポックノットと一緒に、フェアトレードな選択の第一歩を踏み出しましょう! 

 

 

編集後記

自分が中高生の頃は、お財布に優しいファストファッションに助けられていた時もありました。でも、縫製が甘かったり、生地がすり切れたりして、次々に買い換えていた記憶があります。作る人に正当な対価が支払われるからこそ、上質な洋服が生まれる。そんなフェアトレードの考え方を忘れずに、長く着続けられる洋服を選びたいと思います。

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