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カート

カートが空です

Makoto Tanijiri/Naoko Tanijiri Interview

今回のコラボレーションについて、「KAPOK KNOT」代表の深井喜翔が、建築家の谷尻誠さん・料理家の谷尻直子さんにお話を伺いました。



深井:今回のコラボをお引き受けいただけた背景について教えていただけますでしょうか。

 


直子さん:平日は東京で仕事をし、週末は海か山か川にいるような生活をここ数年送っているんですが、「自分たちのライフスタイルに添うブランドってなんだろう?」と感じたことが大きいかもしれません。特に、秋冬のアウトドアは寒いので、ダウンは欠かせないのですが、カポックは言うなれば植物性ダウンですよね。その点でも自分たちの気持ちにフィットするなと感じたところがあります。


 

誠さん:週末に自然に出かける中で常々、ぴったりな服を探していると、やはりアウトドアブランドにたどり着くのですが、ブランドロゴが全面に押し出されていなく、しゅっとした雰囲気の服があったらいいのに、という思いもありました。それも理由のひとつですね。

深井:僕ら(KAPOK KNOT)は立ち上がってまだ2年目のブランドなのですが、今回、“住”と“食”という領域で第一線を走られてる方々とコラボする機会をいただき、本当に光栄に感じています。誠さんは建築の世界、直子さんは食の世界でそれぞれご活躍されていらっしゃいますが、今回お二人がモノづくりに対してこだわりを持ちながら、柔軟に考えられる様子を拝見して感激しました。そのマインドはどういう背景で作られたものなのか、非常に興味があります。

 

 

誠さん:僕はもともとひとりで物を完成させようと思っていなくて、例えば事務所の名前をつけるときも、個人名は嫌だなと思っていました。

深井:確かに、建築事務所といえば、個人名のイメージです。

 

誠さん:でも、僕は現場で釘も打たないし、トンカチもノコギリも持たない図面を書くだけ。実際は、共同作業なんですよね。自分が立つというよりも、みんなで作っていくチーム戦が好きなんです。スタッフと一緒に進めるなかでも、どうやっていろんな人の考えが混ざって面白いものができるのかな、ということに興味がありますね。もちろん、スムーズには進まないこともあるんですけど、どうにもならない難しい中で生まれてくることに興味があって。スムーズに進むっていうことは自分の想像の範疇のことしか起きない。ということでもありますよね。仕事が作業に近づいていくのが嫌なんです。やっぱり自分がする仕事は「感動する仕事」を選びたいので、そういう意味では、自分の思い通りになる進め方だけを選ばないようにしています。

 

 

直子さん:私は、父が職人だったので、前日まで形がなかったものが、翌朝形になっている、ということを目の当たりにしていて。0が10になる、何か想像すれば生み出せる、変化させられる、というモノ作りに対する柔軟な想いは、小さい頃からあったと思います。以前はスタイリストの仕事をしていたのですが、洋服は作る人だけではなく、スタイリングを組む方も、写真として四角に収める方もいますよね。洋服が素材、例えば魚だとしたら、どんな風に処理されて、盛りつけられて、変化して、完成するのか?そういったクリエイティブな掛け合いもまた楽しいなと思います。

深井:今回は、自然の中で撮らせていただきましたが、おふたりにとってアウトドアとは日常のなかでどのような位置づけでしょうか?

 

 

誠さん:アウトドアをするようになった一番のきっかけは、息子と遊ぶなかで、目の前にあるものに依存している、と気がついたことが大きいですね。例えば公園に連れて行けば遊んでくれるけど、それは誰かが作った遊具を借りて遊んでいるわけで、自分でどこで何をして遊ぶ、っていう発明がまったくない状態なんですよ。それがアウトドアだと、ほぼ自然のものを使って時間を過ごすことになる。それは最高のクリエーションだなと感じて。


僕自身も一緒で、ずっと働き続けで来たんですけど、ゆっくり考えたり、立ち返る時間が取れなくなっていって。このままだと駄目だなって思ったときに、徐々にキャンプに足を運ぶようになっていったんです。そうしたら、だんだん思考が冴え始めたというか、もっとこういう風に考えた方がいいな、こう進めるべきかなと、仕事のほうの思考も回転するようになっていったんですよね。

 

 

直子さん:そう、最初は子供がきっかけでアウトドアをスタートしたんですが、私達にも大きな学びと喜びをもたらしてくれて。それが、ここまでキャンプに足を運ぶ理由かもしれません。海や川は、誠からの提案でしたし、スノーボードは私から。お互い行きたいって言ったものは「まず一度やってみよう!」という精神なんです。いまではすっかり週末のアウトドアが日常に溶け込んでいて、逆に「週末にキャンプ行かないとなると何をすればいいいの?」という状態になっています(笑)。週末雨だったらどうしよう…と困ってしまいますね。

深井:お子様がきっかけだったけれども、自然で過ごす時間がお二人にとっても喜びをもたらしてくれた、というのが最高ですね。今回のコラボアイテムでは街とアウトドア、両方で活躍する機能性やデザインを盛り込んでいますが、どういったところにこだわったのでしょうか?

 

 

誠さん:仕事でも「同居の時代」をキーワードとして挙げることがあるんですけれど、携帯電話といいながらも、メールも送れて、写真も撮れて、財布でもある。いろんなものが一緒になっていく時代だなと感じていて。魚釣りだったり、街や家で着る場合だったり、普通だとシーンで分けているようなところをあまり分けずに、街とアウトドアを横断できるようなもの、というイメージはありました。



深井:今回のコラボアイテムのパーカーは肘部分がジップで取り外せて、半袖の形としても着られる2WAY仕様ですが、そこも誠さんこだわりのポイントでしたね。



誠さん:僕、わりとダウンベストよく着るんですよ。寒くなってきたりすると、体は保温できて、でも袖がないので動きやすいところが便利なんですよね。でもダウンベストを着ると、どこかでおじさんぽさも否めないところがあって…(笑)。なので、TシャツタイプでロンTをレイヤーできる、そういう感じでも着こなせるといいな、と。釣りをする時も、動きやすさと寒さの問題を同時に解消できるので便利ですし。すごく気に入ったものが作れましたね。

深井:コラボアイテムのダウンパンツ(メンズ)はいかがですか?



誠さん:誰が履いてもいい感じに見えるようには作りたいな、という思いはありました。僕は身長が高くないので、テーパードタイプは身長問わず、気軽にはけて、でもどこかいい感じの雰囲気になれるところが好きなんです。トップスに何を着ても、決まるところもいいんですよね。



直子さん:週末に仕事を終わらせて、そのままの格好で山に行く、という時にもよさそうなシルエットですよね。



深井:直子さんはいかがですか? 今回ダウンパンツ(レディース)をデザインしていただきましたが。



直子さん:自然のなかで過ごしていると、突然の天候の変化を目の当たりにする機会がたくさんあるんです。突然の寒さやちょっとした雨にも対応できる、ダウンパンツを探していたところでした。今回は、温かさはもちろん、雨にも対応できる撥水加工や、スタイリッシュなシルエットにもこだわっています。シルエットについては、できる限り削り、ヒップ回りのサイズ感のゆるさが気にならないような綺麗なストレートの形に仕上げていただきました。裾(すそ)の絞りもストリート感が強くならないように調整したり、あとはアウトドアだとしゃがむ動作が多いので、膝が出ないよう切り替えを入れたりもしましたね。

深井:直子さんは以前スタイリストとして洋服の世界に携わっていらっしゃったので、アイデアやご意見が本当に的確で勉強になりました。コラボアイテムのポンチョアウターはいかがでしょうか。



直子さん:アウターのほうは、いろんな天候に寄り添えるように、ポンチョスタイルにフードをつけて、マルチ天候型にしました。袖口のスリーブストラップや、脇のスリットも閉めたり開けたりできるようにして、フレキシビリティを持たせつつクールな雰囲気に仕上げることが出来たのかな?と嬉しく思っています。皆さんどうお感じになるかな。フードもややAラインで、綺麗なシルエットに見えるように気を遣いました。



深井:ポンチョアウターはユニセックス展開なので、男性の方でもすごく馴染むところが個人的にも新鮮でした。今回の谷尻ご夫妻とのコラボアイテムについては、受注生産で10月6日(水)より予約を開始しています。ぜひ多くの方に手に取っていただけたら嬉しいです。


ALL ITEM

Unisex

Poncho Trench Coat

¥58,000-

トレンチコートの要素を取り入れた、マルチ天候型のポンチョコート。カポックダウンの軽やかさをいかし、暖かさはキープしつつも、スタイリッシュなポンチョスタイルに仕上げました。サイドについたボタンでスリット丈や横幅のボリュームを調整でき、フードも取り外し可能、とフレキシビリティ溢れるデザインとなっています。防水・防汚機能もついており、都市はもちろん、アウトドアでも着用いただけるコートです。ネイビー、オリーブ、グレージュの3色展開。


Unisex

kangaroo Hoodie

¥35,000-

都市とアウトドアを横断できるシックなデザインかつ、防水加工や保温性、大容量収納ポケット等、機能性も備えたダウンパーカ。フィッシングベストから着想を得たフロントの大きなポケットは、キャンプ等のアウトドアではもちろん、日常使いでも活躍します。背面にはフィッシング用ランディングネットを取り付けられるループなど、遊び心溢れた機能も。また、気温によって袖の長さを変えられる2way仕様。


Women's

Down Pants

¥24,800-

カポックダウンを使用した、スタイリッシュなシルエットのダウンパンツ。ダウンの保温性はそのままに、雨にも対応できる撥水加工を加え、日常はもちろんアウトドアの寒さにも対応可能。スポーツウェア特有のお尻のもたつき感を極限まで削ぎ落とし、綺麗なスリムストレートの形に仕上げています。しゃがむ動作が多いアウトドアでも膝の曲げ伸ばしがしやすく、また膝が出ないよう切り替えのデザインを入れるなど、長く愛用いただける1本です。ネイビー、オリーブ、グレージュの3色展開。


Men's

Down Pants

¥24,800-

カポックダウンを使用したダウンパンツは、温かさはもちろん、雨にも対応できる撥水加工を施し、都市でもアウトドアでもマルチユース可能な1本に。シルエットはテーパードタイプで、身長や年齢問わず、幅広くお使いいただけるデザインです。単品使いはもちろん、フィッシングパーカとのセットアップでも活躍すること間違いなし。ブラック、オリーブ、ベージュの3色展開。

建築家 / 起業家

谷尻 誠 Tanijiri Makoto

SUPPOSE DESIGN OFFICE Co.,Ltd.代表取締役

1974年広島生まれ。2000年建築設計事務所SUPPOSE DESIGN OFFICE設立。広島・東京の2ヵ所を拠点とし、インテリアから住宅、複合施設まで国内外合わせ多数のプロジェクトを手がける。近年「絶景不動産」「21世紀工務店」「tecture」「CAMP.TECTS」「社外取締役」「toha」「DAICHI」を発起し、自然と建築の在り方、自然と人の関わり方を提案。事業と設計をブリッジさせて活動する。

主な著書に『美しいノイズ』(主婦の友社)、『谷尻誠の建築的思考法』(日経アーキテクチュア)、『CHANGE-未来を変える、これからの働き方-』(エクスナレッジ)、『1000%の建築~僕は勘違いしながら生きてきた』(エクスナレッジ)、『談談妄想』(ハースト婦人画報社)。

【SUPPOSE DESIGN OFFICE作品集】

「SUPPOSE DESIGN OFFICE-Building in a Social Context」(FRAME社)

http://www.suppose.jp

料理家 / HITOTEMA主宰

谷尻 直子 Tanijiri Naoko

ファッションスタイリストを経て料理家に転身。コース仕立てで提供する「現代の母の料理」をコンセプトとしたレストラン「HITOTEMA」を代々木上原に構える。自然食品、スパイス、薬膳、金継ぎなど、食を中心としたライフスタイルをトータルで提案する。

2019年に著書『HITOTEMAのひとてま』を主婦の友社より刊行し、代官山蔦屋書店で取り扱う7000冊に渡る食部門の本の中、同年、販売部数一位となる。今年6月に出された新作 『HITOTEMAのひとてま 第二幕』も、レシピのシンプルさと本の美しさが話題。

公式Instagram:https://www.instagram.com/naokotanijiri/



photo / Takao Sakai

stylist / Tetsuro Nagase

hair & make / CHIRIHO

model / Makoto Tanijiri Naoko Tanijiri

Other Style

Makoto Tanijiri/Naoko Tanijiri