私とカポックの出会い vol.2
「トンネルを抜けると、
雪、いやカポックだった」
そんなカポックとの出会いを、
クラウドファンディングリリース直後の今、記す。(2019年10月時点)
本当にありがたいことに、
カポックを使用したブランド「KAPOK KNOT」は、
開始9分で目標達成・24時間で目標800%を超える、
多大なるご支援をいただいた。
リンクはこちら:
https://www.makuake.com/project/kapokknot/
私は、確信をした。
「やはり、世界はカポックを求めている」と
7月15日朝、今日はまだ外が暗い。
5時起きで空港に向かう。
Grabというタクシー配車アプリで向かう。
日本ではuberやdidiが使われつつあるが、
インドネシアは日本よりさらに発達。
配車の数が圧倒的だしバイクもgrabだ。
アテンドしてくれるのは10年来の友人であるかんとくん。
インドネシアに駐在しており、
ジャカルタが似合う男になっていた。
6時50分
同行するクリエイティブディレクターゆうたが腹を壊していることもあり、
最後の搭乗者となった我々一行であるが、
無事離陸した。
8時45分
ジャカルタから東のスラバヤへ移動。
距離で言えば東京広島くらいである。
工場長であり、アトツギであるアンドリューに初の対面。
握手をし、挨拶を交わす。
アンドリューは彼の父親と2人で迎えてくれた。
後で聞いたが76歳!見た目はとても若い。
彼はとてもよく喋る。
特にカポックの話については、
熱くとても多くを語る。
インドネシアは世界一の渋滞のため大気汚染がすごいこと、
毎年2cmの水位があがっていること、
それに伴いジャカルタから首都を移そうとしていること、
温暖化を止めるために植物を植えるべきだということ、
カポックは大きく育つので酸素を多く出すということ、
カポックの綿は枕やクッションに、種は動物のエサに、皮は燃料代わりに使えるので全てが使えるということ、
などなどいろいろなことを教えてくれた。
空港から2時間ほど、
山を登りながら、工場へ到着した。
到着後、すぐに工場内を視察。
まずカポックの選別作業である。
殻を壊し、綿を取り出す。
殻と綿を分けて袋に入れる。
その手際の良さは流石である。
熟練の職人たちが手早く仕分ける。
私も試させてもらったが、殻が意外と硬かったり、
中から綿を出すのに苦労したりと、
彼女たちの数倍の時間がかかった。
流石である。
その後、カポックを吹き上げ、
種と綿に分別する工程をたどる。
重い雑物は取り除かれ、
ピュアな綿のカポックのみが選別される。
その軽さから一度宙に舞うとなかなか地面に落ちてこない。
ようやく地面に落ちたカポックのみを集める。
すると出来上がるのは、新雪降りたてのゲレンデのような光景である。
目の前に広がるその光景は素直に美しいと感じた。
軽く柔らかなカポックが目の前に人の高さほどで広がる。
「トンネルを抜けると、 雪、いやカポックだった」
その光景はカポックを初めてみた、同行メンバーも驚いていた。
その後、2度の圧縮作業に入る。
ふわっふわのカポックを輸送するために圧縮するのである。
まずは作業員の男性たちが大きな袋にカポックを入れる。
最初は手で量を入れ、途中から足で押し込む。
全身カポックだらけになってしまうので、
彼らは上半身は裸で顔には吸引防止用にマスクをしている。
その後、カポックは一気に圧縮される。
しかし、それでも大人2人でも抱えきれない大きさだ。
そこからさらに、もう1度圧縮され、ようやく輸送可能な状態になる。
つまり、大きく分けると3つの工程がある。
①果実の状態から、綿を取り出す
②綿と種を分別する
③輸送の為に圧縮する
(正確に言えば、間に乾燥工程や種を梱包する作業などもある)
カポックが流れるルートがしっかりと考えられており、
とても多くのストックが抱えられていた。
カポックは実さえとっておけば、
昨年のものでも保管が聞くという事だった。
僕たちはアンドリューとアンドリューの父に感謝の意を述べた。
彼らはとても親切にいろいろなことを教えてくれ、思いを語ってくれた。
工場を後にして、スラバヤのダウンタウンへ向かい、
アンドリューと遅めの昼食を取った。
彼は非常にエネルギッシュな人物で、50歳とはとても思えない。
政治・環境・経済・教育・文化、様々なことに言及しており、
それぞれに対して熱のあるトークでとても中身が濃い話だった。
彼はアメリカの大学に通ったこともあり英語が堪能で、
僕はついていくのが必死だった。
、、、見栄を張った。ついていけないことも度々あった、が本音である。
17時
空港に送り届けてもらい、
ジャカルタに戻る旅路に着く。
アンドリューと再会を約束し、今後のやり取りを約束し合った。
そして約3か月後の、
10/6に私はKAPOK KNOTをリリースする。
スタートダッシュに多大なる支援をいただけることを、
この時の私はまだ知らない。