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カート

カートが空です

カポックとは?木の実から生まれる繊維の特徴・デメリット・用途

カポックとは、パンヤノキ(学名 Ceiba pentandra)の実の中にできる、綿毛のような植物繊維です。繊維の中が空洞になっているのでとても軽く、昔から枕や布団の詰め物、救命胴衣の浮力材として使われてきました。

このページでは、カポックの木と産地、繊維の特徴、ダウン・ポリエステル・コットンとの違い、正直なデメリット、枕や中わたなどの用途までを1ページにまとめました。KAPOK KNOT(カポックノット)は、このカポックを服の中わたに使っているブランドです。素材を選ぶときの判断材料にしてください。

割れたカポックの実から、白い綿毛のような繊維があふれている様子

木の実の繊維・カポックを中わたにした、軽いアウターと小物。まずは一覧からどうぞ。

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カポックとは(植物・産地・収穫)

カポックは、熱帯で育つパンヤノキの実から採れる繊維です。木を伐らずに、実だけを収穫して使えます。

どんな木?

パンヤノキはアオイ科セイバ属の落葉高木です(以前の分類ではパンヤ科)。英語では kapok や silk-cotton tree と呼ばれ、日本では「パンヤ」の名でも知られています。熱帯アメリカとアフリカが原産で、いまは熱帯に広く分布しています。熱帯林では、周りの木より頭ひとつ高く突き出すほどの大木になります。

インドネシアの農園に立つカポック(パンヤノキ)の木

ちなみに、園芸店で「カポック」の名で売られている観葉植物はシェフレラ(ホンコンカポック)です。葉の形が似ていることから付いた呼び名で、繊維のカポックとは別の植物です。

どこで採れる?

東南アジアでは、綿毛を採るために古くから栽培されてきました。いまの主な産地はインドネシアで、次いでタイです。日本に入ってくるカポックも、ほとんどがインドネシア産です(2015年は輸入量の約98%)。

どうやって収穫する?

パンヤノキは育てやすく、植えて5年ほどで綿毛を採れるようになります。実は熟すと乾いて茶色くなり、やがて割れて、綿毛が種を風に乗せて運びます。人が使うときは、この実を収穫して中の綿毛を取り出します。KAPOK KNOTが調達しているインドネシアの産地では、例年9月ごろが収穫期です。

収穫後に乾燥させ、黄土色になったカポックの実

カポック繊維の特徴

カポック繊維の特徴は「中が空洞で軽い」「水をはじく」「湿気を吸うと温度が上がる」の3つです。暖かさは、KAPOK KNOTの自社試験ではダウンと同等でした。

中空構造で、とても軽い

カポック繊維は、1本1本が細いストローのような管になっています。研究では繊維の体積の約8割が空洞とされ、この空気が軽さと断熱性のもとです。軽さは「コットンの約1/8」といわれます。

ふわふわと軽いカポックの綿毛

水をはじき、水に浮きやすい

繊維の表面は天然のロウ(ワックス)で覆われていて、水をはじきます。中に空気を抱えたまま水を吸いにくいので、水に浮きやすい素材です。救命胴衣の浮力材に使われてきたのは、この性質のためです。

湿気を吸うと温度が上がる(吸湿発熱)

吸湿発熱とは、空気中の水分が繊維にくっつくときに出る熱(収着熱)で、温かさを感じさせる働きです。表面のロウがはじくのは液体の水で、吸湿発熱は空気中の湿気に対する働きなので、2つの性質は両立します。

KAPOK KNOTの自社試験では、調湿した素材サンプルを湿度の高い場所に移して湿気を吸わせ、温度の上がり方をサーモグラフィで観察しました。カポックはダウンに近い温まり方を示し、従来ダウンの代替に使われてきたポリエステルより上昇が大きいという結果でした(素材サンプルどうしの比較で、製品の着用感をそのまま示すものではありません)。

暖かさはダウンと同等(自社試験)

KAPOK KNOTのアウターと他社のダウンを、3℃の環境で着用1分後にサーモグラフィで比べた自社試験では、同等の保温性でした。私たちは「ダウンより暖かい」とは言いません。薄くて軽いのに、ダウンと同じくらい暖かいというのが正確な表現です。

カポック・ダウン・ポリエステル・コットンの比較表

項目 カポック ダウン ポリエステル中わた コットン
由来 植物(パンヤノキの実の綿毛) 動物(水鳥の羽毛) 石油由来・再生素材 植物(綿花の種の綿毛)
繊維のつくり 中が空洞の中空繊維 羽毛が広がって空気を抱える 製品による(中空タイプもある) よじれのある繊維
軽さ とても軽い(コットンの約1/8といわれる) 軽い 製品による カポックより重い
水との関係 表面のロウで水をはじく 濡れると保温力が落ちやすい 濡れても保温しやすい 水を吸いやすい
糸・わたへの加工 短くなめらかで、単独では難しい 羽毛のまま生地に封入 しやすい 糸にしやすい

※温度上昇率は KAPOK KNOT の自社試験(20℃・湿度40%で調湿した素材サンプルを高湿度の環境で吸湿させ、サーモグラフィで観察)。そのほかの項目は一般的な傾向で、製品の設計によって変わります。

ダウンや化繊との違いを、アウター選びの視点で比べたい方は ダウンより暖かい素材はある?ダウン・化繊・ウール・カポックを比較 をご覧ください。

カポックのデメリット・向かないこと

いちばんのデメリットは、繊維が短くなめらかで、単独では糸にも中わたにもしにくいことです。良いことばかりではないので、正直にお伝えします。

繊維が短く、単独では糸にしにくい

カポック繊維の長さは1〜3cmほどと短く、表面がなめらかで縮れもありません。糸は繊維を引き伸ばして撚り合わせて作りますが、カポックは繊維同士が絡みにくく、撚ってもほどけやすいのです。そのためカポック100%の糸や生地はまれで、綿などと混ぜて紡ぐのが一般的です。

短くまっすぐなカポックの繊維

軽すぎて、ワタのままでは扱いにくい

軽さは長所ですが、加工の現場では細かい繊維が空気中に舞い、工場の掃除にも手間がかかります。服の中にワタのまま詰めると、偏ったり、生地の目から吹き出したりする原因にもなります。カポックが長いあいだ服に使われてこなかったのは、こうした扱いにくさのためです。

燃えやすい性質がある

表面のロウと、細くて表面積が大きい繊維の形から、カポックは燃えやすい性質があると報告されています。カポックに限らず、中わた入りの服や寝具は、たき火やストーブなど火のそばでは注意してください。

品質にばらつきがあり、量も多くない

天然素材なので、種や殻のかけらが混じることがあり、選別と品質管理が欠かせません。1960年代以降は合成繊維に押されて取引が大きく減り、日本の輸入量はいまでは年100〜150トン程度です。安いポリエステルに比べると、どうしてもコストは高くなりがちです。

極寒の屋外では、ダウンが有利な場面もある

雪山や長時間の屋外のように極端に寒い環境では、高品質なダウンが有利な場面があります。カポックのアウターが向いているのは、電車や室内を行き来する日本の都市の冬です。製品としてのデメリット(価格、色の選択肢、長期の耐久データなど)は カポックのコート・ジャケットは本当に暖かい?ダウンとの違い・デメリット で詳しく書いています。

扱いにくいカポックを、シートにして中わたへ。軽さを実感できるのがエアーライトジャケットです。

エアーライトジャケットを見る

カポックの用途(枕・布団・救命胴衣・アパレル)

カポックの用途は、大きく分けて「詰め物」「浮力材」「断熱・吸着材」「服」の4つです。軽さと水への強さを生かせる場所で使われてきました。

枕・布団・クッション(パンヤ)

日本では「パンヤ」の名で、枕や布団、クッション、ぬいぐるみの詰め物に使われてきました。軽くて、ふんわりした弾力があるのが特徴です。カポックの枕や布団を選ぶときは、次の4点を確かめると失敗しにくくなります。

  • 中身の混率(カポックが何%か、ほかに何が入っているか)
  • 側生地の目の細かさ(短い繊維が吹き出しにくいか)
  • 洗えるかどうか(洗濯表示)
  • 中で偏りにくい作りか(キルティングやシート状など)

救命胴衣・浮き具

水をはじき、空気を抱えて浮きやすいことから、カポックはかつて救命胴衣などの浮力材として広く使われました。合成繊維が普及してからは、使われる量が減っています。

断熱材・吸音材・油の吸着材

中空で軽い繊維は、断熱材や吸音材にも向いています。表面のロウが油になじみやすいことから、水の上に広がった油を吸い取る材料としての研究も進んでいます。

アパレル(糸・中わた)

服に使う方法は、綿などと混ぜて糸にする方法と、中わたにする方法の2つです。どちらもカポック単独では難しいため、混紡やシート化などの加工技術が欠かせません。KAPOK KNOTは、中わたとして使っています。

KAPOK KNOTの「NEO DOWN KAPOK®」

KAPOK KNOTは、カポックを特殊な技術でシート状にした中わた「NEO DOWN KAPOK®」を使っています。NEO DOWN KAPOK®には「BEYOND」と「PADDING」の2つのタイプがあり、現在の商品はプロトタイプを除きすべてPADDINGです。扱いにくいワタを、服の中で使える形にしたものです。

カポックを特殊な技術で加工したシート状の中わた

シートにすることで、繊維が飛び散らず、服の中で片寄りにくくなります。大手企業との研究開発を重ねて、この加工を実現しました。表地と裏地のあいだに、このシートを縫い付けています。

中わたはカポックとリサイクルポリエステルを組み合わせています。たとえばエアーライトジャケット(Unisex)の素材表記は、表地「ナイロン100%」、中わた「リサイクルポリエステル70%、植物繊維(カポック)30%」、裏地「ポリエステル100%」です。混率は商品ごとに違うので、各商品ページの素材表記でご確認ください。

生地の内側に縫い付けられたカポックのシート

カポックは木の実なので、木を伐る必要がありません。水鳥の羽毛を使わないので、アニマルフリーでもあります。農園から加工工場、縫製工場までと直接つながる「Farm to Fashion」の体制で、素材の出どころが見える服づくりを続けています。

よくある質問

Q. カポックとは何ですか?

A. パンヤノキ(学名 Ceiba pentandra)の実の中にできる、綿毛のような植物繊維です。 繊維の中が空洞で軽く、水をはじく性質があります。日本では「パンヤ」とも呼ばれ、枕や布団の詰め物、救命胴衣の浮力材に使われてきました。

Q. カポックとダウンはどちらが暖かいですか?

A. KAPOK KNOTの自社試験では、ダウンと同等の保温性でした(3℃環境・着用1分後のサーモグラフィ)。 「ダウンより暖かい」とは言えません。雪山などの極寒の屋外では高品質なダウンが有利な場面があり、カポックは電車や室内を行き来する都市の冬に向いています。

Q. カポックのデメリットは何ですか?

A. 繊維が短くなめらかで、単独では糸にも中わたにもしにくいことです。 軽すぎて加工中に舞いやすいこと、燃えやすい性質があること、生産量が少なくコストが高くなりがちなことも挙げられます。そのため多くの製品は、混紡やシート化で弱点を補っています。

Q. カポックの枕や布団はどんな特徴がありますか?

A. 軽くて、ふんわりした弾力があるのが特徴です。 選ぶときは、カポックの混率、短い繊維が吹き出しにくい側生地か、洗えるか、中で偏りにくい作りかを確かめてください。

Q. カポック100%の服はありますか?

A. 繊維が短く単独では加工しにくいため、カポック100%の服はまれです。 多くは綿やポリエステルと組み合わせています。KAPOK KNOTのエアーライトジャケット(Unisex)の中わたは、リサイクルポリエステル70%、植物繊維(カポック)30%です。

Q. カポックの服は家で洗えますか?

A. 洗えるかどうかは、素材よりも製品の作りと洗濯表示で決まります。 KAPOK KNOTのエアーライトジャケットは家庭で手洗いできます。そのほかの商品は、それぞれの洗濯表示とお手入れ方法のページをご確認ください。

まとめ|カポックを一言でいうと

  • カポックは、パンヤノキの実から採れる中空の植物繊維。木を伐らずに実だけを収穫する
  • 軽く、水をはじき、湿気を吸うと温度が上がる。暖かさは自社試験でダウンと同等
  • 弱点は繊維が短く単独で糸やわたにしにくいこと。燃えやすさ、量の少なさもある
  • 枕・布団の詰め物、救命胴衣、断熱材、そして服の中わたに使われている

カポックの軽さを、実際に手に取って確かめてみてください。

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