カポック図鑑vol.2 -カポック繊維の特徴(前編)-
遥か遠くインドネシアの地で出会った”カポック”。
まだまだ知られていない、カポックについてや豆知識をお届けします。
今回は、洋服に優れた機能を持たせるカポックの特徴についてご紹介。
ダウンに負けない、暖かい素材特性
実は、カポック繊維の中は空洞になっています。
この空洞が高い※1吸湿発熱の役割を果たし、ダウンに負けない暖かさを生み出しています。
※1:吸湿発熱とは‥空気中の水分子が繊維に吸着した際に発生する熱(収着熱と言われる)を利用し、温感を持たせる機能
また、カポック繊維は中空率が約80%と高いので、表面積が非常に大きくなり、その分吸湿発熱する面積が多いことも特徴です。
これらの特徴により「寒い時は、湿気を吸い発熱することで暖かさを生み出し、逆に暑い時には、湿気を放出し涼しく快適にしてくれる」ので、長いシーズン活躍するアウターを作ることができます。
タンポポの綿毛ように軽いカポックの綿
カポック繊維はとても軽いのも特徴の1つです。
その軽さは、なんとコットンの約1/8。
先述した通り、カポック繊維の中が空洞で中空率が高いことから非常に軽いのです。
これだけの軽さを持つカポックの綿は、タンポポと同じように風に乗って種を遠くに飛ばすことに役立っています。
コットンの約1/8の軽さという特徴を持つカポックを素材にすることで、ダウンに負けない暖かさを、薄手のコートと同じぐらいの重量で実現することができます。
いかがでしたでしょうか。
カポックは「暖かくて、軽い」というアウターにぴったりの素材。
たくさんの優れた機能を持っています。
次回は「なぜこんな優れたカポックが今まで服に使われてこなかったのか?」についてお話し、私たちがどのように服にすることができたのか、ご紹介できればと考えています。
出典:
途上国森林ビジネスデータベース BFPRO
https://jifpro.or.jp/bfpro/sanpin/sanpin-02/1309/
一般財団法人カケンテストセンター
https://www.kaken.or.jp/test/search/detail/4