KNOT Lab. time Vol.1
こんにちは、そして初めまして。KAPOK JAPAN マテリアルチーム佐伯です!
マテリアルチームは、木の実由来のカポックを軸とした素材の開発・検証、製品のモノづくりを日々あれこれ行っているチームです。
モノづくりの現場では、お客様からお問い合わせ頂いたり、社内でよく話題になる“素材の小ネタ”が実はかなり多く、 「これはせっかくなら月1くらいでコラムとして発信しても面白いのでは?」と思うようになりました。
というわけで、今回から素材担当が語る“ちょっと深い素材の豆知識シリーズ”をスタートします。
その名も”KNOT Lab. time”!
第1回のテーマは冬にお問い合わせが増える「静電気」について。
「リカバリー加重ブランケットMUSUBIと静電気のおはなし」始まります。
そもそも静電気ってどうして起きるのか?
静電気は、素材同士がこすれ合うことで普段はバランスしている“電子”が移動し、片方がプラスに、もう片方がマイナスに帯電する現象です。この状態で、帯電していない物体や逆の電荷を持つ物体に触れると電荷が一気に移動し、これが静電気として感じられるのです。
身近な例でいうと:
- ウールのニット×ナイロンのアウター
- ナイロンタイツ×ポリエステルのスカート
など、“異なる種類の素材”の組み合わせほど帯電しやすくなります。
これは、繊維にはそれぞれ 「帯電しやすさ(帯電列)」 があり、 帯電列が離れている組み合わせほど、静電気が発生しやすいからです。


ポリエステルは静電気が起きやすい?
実は、ポリエステルは帯電列の中で上位(=比較的帯電しやすい) に位置しています。 乾燥する冬は特に “パチッ” と感じやすいのはそのためです。
ただし、これは「ポリエステル=静電気が多い」というより、
- 湿度が低い
- 部屋が暖房で乾燥している
- 他の素材とこすれる
こうした使用環境が大きく影響しています。
ここで改めてMUSUBIのおさらいです
加重ブランケット MUSUBIシリーズは現在2タイプあり、それぞれ表生地が異なります。
MUSUBI -en-(エン)
表地にはポリエステルの天竺素材を使用。Tシャツにもよく使われる基本の編み方で、フラットでサラッとした肌ざわりが特徴です。よって季節を問わず、通年お使い頂けます。
MUSUBI -ON-(オン)
表地にはとても細い糸を起毛させ、暖かく柔らかいプレミアムフランネル生地を採用。特に秋冬シーズンにご使用頂けます。
MUSUBIは静電気が起きやすい?
結論から言うと、 “一般的なポリエステルブランケットと同程度” です。
- MUSUBI -en-(表地が天竺ニット):フラットで摩擦が比較的少ない → 静電気は出にくい傾向
- MUSUBI -ON-(表地が起毛素材):起毛された繊維同士がこすれやすい → 静電気が起きやすいのは事実
ただし、どちらも 中綿もポリエステル(モノマテリアル) のため、布団のように「異素材の組み合わせで強く帯電する」 ということは少ないのでご安心ください。
※MUSUBI -en- と MUSUBI -ON- は、表地・中綿・ミシン糸・ネーム・梱包バッグに至るまで、すべて同じポリエステルで作られています。素材を統一することでリサイクルしやすい設計になっており、こうした“単一素材でつくられた製品”をモノマテリアルと呼びます。
もし静電気が気になったときには?
静電気は「湿度 × 摩擦 × 温度」で大きく変わります。 家庭で簡単にできる対策をまとめました。
① 加湿する(最強の対策法!)
室内湿度を40~60%程度にすると、静電気抑制に有効です。寝室に加湿器を置くことで落ち着きます。
② ブランケットを勢いよく引き剥がさない
バサッと大きく動かすと摩擦が増えて帯電しやすくなります。
③ 衣類の素材に気をつける
特に冬は、フリース(ポリエステル)× ポリエステルのブランケットは静電気が出やすい組み合わせです。綿100%のパジャマに変えるだけで、改善されます。
④ 市販の静電気防止スプレーを使う
静電気防止スプレーを吹きかけることで帯電しにくくなります。
⑤ 部屋の湿度がどうしても上がらない時は…
MUSUBIの表面に軽くミストを吹くのも効果的です。 “湿度が高いこと=静電気の天敵”です。
静電気は「素材の問題」より「環境の影響」が大きい
静電気というと「素材が悪いのでは?」と思われがちですが、 実際には湿度や摩擦など“使用環境”の影響が大きい と言われています。 特に冬は湿度が下がるため、どんな素材でも帯電しやすい季節。MUSUBIも例外ではありませんが、 通常の化繊ブランケットと同じレベルで、上記のケアをしていただければ快適にご使用頂けます。
さいごに “素材の裏側を、もっと身近に”
第一回目のテーマは「静電気」、如何でしたか?
今後も KAPOK KNOT や MUSUBI の裏側にある素材の話を、 気軽に読めるコラムとしてお届けしていきたいと思います。
次回のテーマは何にしようかな…?
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