
ファストファッションの問題点|隠された裏側を解説
私たちが毎日身にまとっている洋服。実はその洋服やファッションの裏には深刻な問題が隠れています。
私たちは現在、トレンドに合わせた服をとても安い値段で購入しています。しかし、この安さが環境破壊さらには途上国の人権問題にも関わっているのです。
またファッション産業は、二酸化炭素の排出量もとても多い業界でもあります。
そこで今回は、このファッションの裏側にある問題点についてご紹介していきます。
ファストファッションとは
「ファストファッション」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
もし普段、安い値段で服を購入している場合、多くはこのファストファッションに分類されます。
ファストファッションとは、
・トレンドに合わせた商品が低価格で販売され、
・短いサイクルで商品が入れ替わる
ファッションのことを指します。
最近は、春夏秋冬の季節に止まらず、1週間といったとても早いスパンで新しい商品が発売されます。身近なブランドでは、UNIQLOやH&Mなどがファストファッションと呼ばれます。
ではこのファストファッションが一体どのように環境破壊に繋がっているのでしょうか。
次の見出しで詳しく解説していきます!
ファストファッションの問題点
ここでは、ファストファッションの仕組みとそれに伴う問題点ついて理解していきましょう。
ファストファッションが生み出す環境破壊
ファッション産業が生んでいる環境破壊は今や甚大なものです。
しかし、そのほとんどはファストファッションに起因しています。
ファストファッションによる環境問題には2つの側面があります。
まず1点目は、有害物質による環境被害です。
低価格を実現するため、使用される素材や染料は化学的なものが多く、それらは環境にとって有害となります。具体的には、工場からの排水などにより海が汚染されるなどが挙げられます。
さらに、それらの有害物質は、工場で働く人たちの健康を害することもあります。
次に2点目は、廃棄物の量です。
ファストファッションは、同じデザインの服を大量に生産することで、その製造コストを削減しています。たとえ売れ残りが出たとしても、一度にたくさん製造した方がコストが抑えられます。その上、ファストファッションの製品は基本的に素材の品質が低いため、廃棄されやすいです。売れ残った服なども含め、ファストファッションが出す廃棄物の量はとても多くなります。
ちなみに、Tシャツ1枚を製造するのに使われる水の量は2700ℓと言われてます。大量にゴミを出すことや、水の消費量といった点でも、環境へ及ぼす影響はとても大きいのです。
劣悪な労働環境のうえに成り立つ生産
ファストファッションのブランドの多くは、発展途上国に生産拠点を置いています。
賃金の基準が低い途上国で生産し、労働コストを削減することで、安価な服の販売を実現しているのです。
しかし現場で働く人たちは、劣悪な労働環境で働いています。非衛生的な職場、長時間の労働、低いお給料といったものです。最悪の場合、身体的な暴力が起きていることもあります。この問題をさらに深刻にしているのが、途上国の人たちは職場を選ぶことが出来ないことです。毎日生きていくお金を稼ぐのに精一杯な状況であるため、労働環境が劣悪でも他に選択肢がないのです。
このように、ファストファッションは労働者の健康問題や人権問題と結びついています。
ファストファッションが問題視されたきっかけ
先ほどご紹介した、ファストファッションと労働問題の関係を浮き彫りにした印象的な事件があります。
2013年の4月24日、バングラデシュの首都ダッカにある縫製(ほうせい)工場が入ったビル「ラナ・プラザ」が崩壊しました。当時そのビルには複数の縫製工場が入っており、死者およそ1130人、負傷者2500人以上にものぼる大事故となりました。ビル崩壊の原因は、ビルが老朽化していたにも関わらず改修工事を行わなかったためです。
この事件がきっかけで、ファッション産業の問題点が注目されるようになります。そして多くのブランドが、労働者や環境に配慮した生産様式に移行していったのです。
ファストファッションに変わる洋服選び
ここまで紹介してきた環境破壊や労働問題をなくすためには、「サステナブルファッション」という選択が大切です。
「サステナブル」は「持続可能な」と訳され、「環境面的、社会的、経済的に継続することができる」ことを意味します。分かりやすく言うと、環境や労働者に配慮した、継続性のある仕組みのファッションということです。
具体的には、
・農薬や化学肥料を使わないオーガニックの素材を使用する
・途上国の人たちの労働環境を守る
・動物実験を行わない
といった自然環境や人、動物などにも配慮した生産が行われているのがサステナブルファッションです。
サステナブルファッションは、「エシカル(倫理的な)ファッション」とも言われます。素材や製造工程にこだわっているため、ファストファッションより価格は高めです。
しかし、サステナブルファッションなら、本当に自分が着たいもの、長く使いたいものだけを選ぶようになります。
また、素材の質が良いため服も長持ちするので、結果的に使うお金も少なくなるでしょう。
環境や途上国の人を思った服選びを
次から次に新しいデザインが登場し、それを低価格で手に入れることの出来るファストファッション。その裏には、環境破壊や労働者の健康や人権の問題が起きています。
しかし最近では、多くのブランドがサステナブルファッションに取り組むようになってきています。一度本当に長く着たい、お気に入りの1着を探す洋服選びをしてみませんか。
カポックノットでは、サステナブルな洋服の販売はもちろん、カポックという木の実から採れるコットンに実際に触れながら、サステナブルファッションの取り組みを体感できるイベント「KNOT LAB」を開催しています。
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ニュージーランドでの留学をきっかけにSDGsに取り組みたいと思うようになりました。帰国後、環境面や健康面の理由でベジタリアンの食生活をしています。野菜料理とお米を食べること、自然に囲まれることが好きです。