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<いいパートナーの日・インタビュー企画> 無理して理解し合わない、ありのままの関係性 【ゆうたさん・ヒロさん】

KAPOK  KNOTは、現代における「こころよい暮らし」を提案するブランドです。誰と一緒に過ごすのかが、こころよい暮らしを送るうえで大切なこと。多様性を“豊かさ”と捉えるようになり、パートナーのあり方も変わってきた昨今。11月22日「いい夫婦の日」という記念日を、11月8日「いいパートナーの日」にアップデートしたいと今回のインタビュー企画は始まりました。

 

第1回となる今回インタビューさせていただいたのは、ゲイカップルのゆうたさんと、ヒロさん。デザイナーと医師という、全く異なる仕事をしているお二人。「全てを理解しきることはできない」という前提で、お互いに歩み寄る関係性について語っていただきました。

 

聞き手は、KAPOK KNOT代表の深井喜翔です。

 

仕事も考え方も全く異なる、二人の関係性

深井:KAPOK  KNOTのデザイナーであり、僕の大学時代の親友ゆうたくんと、そのパートナーであるヒロさん。お互いを受け入れ合う関係性が素敵だと感じ、今回インタビューを依頼しました。まずはお二人のライフスタイルを教えていただけますか?

ゆうた:僕はフリーランスでCIデザイナーの仕事をしています。国内いろいろな場所を転々としながら働いていて、メインの拠点は渋谷と京都と湘南。大分や沖縄あたりにもよく行っています。

ヒロ:自分は九州出身で、就職を機に神奈川県に出てきました。今は大学の研究機関に所属して働いています。

 

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深井:一見すると接点がなさそうなお二人。お互いの尊敬できる部分について教えていただけますか?

ヒロ:僕は、結構人目を気にして、過度な調和を求めるタイプ。ゆうたは正反対で、自分がやりたいことを優先できるのが尊敬できる部分です。

ゆうた:ヒロは対話を諦めないでくれる。「もういいよ」とか言わないで、ちゃんと話し合って、受け止めてくれる部分を尊敬しています。

ヒロ:「お互いを分かり合うのは無理だ」という前提で関わることが、究極的にはお互い対話を進めることだと思っています。

 

理解し合えないことを前提に、どう折り合いをつけるのか

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ゆうた:「理解し合える」こと」を、僕は希望だと感じない。押し付けになりかねないし、自己満足で終わりかねないから。理解し合えないことを大前提に、どう歩み寄って折り合いをつけるのかが大事だと思っています。大体ヒロの方が歩み寄ってくれるんだけどね(笑)。

深井:実際、多くの場合ヒロさんからは歩み寄っているよって感じなんですか?

ヒロ:まあそうですね(笑)。でも、分かり合えないことを前提にすると、例えば喧嘩をした時、一つの答えを出すような「解決型」がゴールではなくなる。「お互いの意見をその場で出し合えたね」という状態が理想だと思っています。

 

「理想論としての解決型」にならないこと

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深井:具体的に、歩み寄りや解決型ではなくお互いの意見を発表する場面はありましたか?

ヒロ:付き合いだした頃、ゆうたが「僕はポリアモリー(※)という関係性に興味があるかもしれない」って話をしてきたことがあって。

※同時に複数人と恋愛関係を築くライフスタイルのこと。

ヒロその時「僕はポリアモリーという付き合い方は耐えられないと思うから、今後そういう付き合い方を求めるようなことが起きたら、またその時話し合おう」と伝えました。ポリアモリーが良いか悪いかは置いておいて「あなたはそうだけど、私はこう思うよ」と、伝えたんです。

深井:なるほど。それでも割り切れない時ってどう消化しているんでしょう?

ヒロ:共通の友人に、話を聞いてもらいます。すると、頭では分かっても気持ちはついていけないみたいな部分が少しずつ埋まっていく気がします。

深井:ゆうたって、パートナーを友達に紹介するタイプだったっけ?

ゆうた:いや。相手がヒロだからだと思う。僕は、分人主義という考え方を信じていて。人って表裏どころかいろんな自分を持っていて、相対する人によって引き出される自分が違うことが結構ある。これまでは、好きな人に対して格好つけちゃって、友達に紹介しようとすると人格のバッティングが起きてしまっていた。でも、ヒロには友達といる時と同じ格好つけない自分を見せられたから、紹介できると思えたんです。

 

そのままの自分で生きていける世界

深井:周囲の人との関わり方について、お互い刺激を受けることはありますか?

ヒロ:ゆうたの友達の結婚式の二次会で、いきなり「彼氏です」と紹介された時のことは衝撃的でした。僕、自分がゲイだとオープンにしていないコミュニティが結構あるんですけど、その時は僕が人生でしてきたカミングアウト量の5倍ぐらいの人に一気にオープンにされて(笑)。
これまで、ゲイコミュニティの自分とそうじゃないコミュニティの自分という、二重世界を生きているような感覚がずっとあったんですけど、ゆうたは全然違った。誰に対してもオープンで、一つの世界を生きている感じがいいなと思ったんです。そこから自分も、周囲にカミングアウトするようになりました。

ゆうた:ヒロが職場の人に僕を紹介してくれるようになったのは、嬉しかったです。あまり言わない人だと思っていたから。

深井:ゆうたの影響でヒロさんに変化が起きて、それがゆうたの喜びにも繋がっている。お互いが良い意味で影響し合っていますね。

 

party
記事中に出てくる結婚式・二次会の様子

 

 

不確実性を共有し続けるパートナーシップ

深井:では最後、お二人にとって「こころよいパートナー」とは何でしょうか。どういうパートナーが「良いパートナー」なのか、そして自分はどうありたいのかを教えてください。

ゆうた:ありのままでいさせてくれる関係性かな。ありのままって、良いところだけじゃなく、ドロドロした部分や理想と矛盾した部分、いろいろな自分を見せられている状態だと思っていて。ヒロはそこに対してちゃんと向き合ってくれて、本当の意味で「ありのまま」の状態でいさせてくれるのが自分的にはすごくこころよい。この関係性が、自分の思う幸せの形にすごく近いかもと思っています。

ヒロ:「分かり合えないこと」を、前提にした関係性ですかね。ふたりの間に不確実なことが起きた時、白黒つける解決型の話し合いではなくて、不確実性を共有し続けられることが大事かな。あとは、ゆうたの自由に生きる姿勢を近くで見ながら、自分自身が変容していけるというのも、すごく良いことだと感じています。

 

last

 

 * * *

 

仲が深まれば深まるほど、自然と相手のことを「分かっている」と思ってしまうものですよね。お互いに想い合っているカップルであれば、なおさら。お二人はその感覚から意識的に距離を置き、「分かり合えないこと」を前提に、歩み寄っている姿がとても印象的でした。

11月8日(いいパートナーの日)に重ねた、KAPOK KNOTのインタビュー連載。次回は「信頼と、安心感を生む関係性」について、とあるご夫婦にお話を伺っています、お楽しみに。

 

取材:深井喜翔(KAPOK KNOT代表)
執筆:内田薫子(KAPOK KNOT
編集:ほしゆき

 

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