ペットボトルで服を作る方法
リサイクルと聞いて、最初に何を思い浮かべますか?
今でこそ、身の回りにリサイクルできるものが増えてきましたが、昔からリサイクルできるイメージがあるのは、ペットボトルではないでしょうか。
リサイクルされたペットボトルは、さまざまなものに生まれ変わります。洋服もその一例。世界第2位の環境汚染業界と言われているアパレル業界でも、ペットボトルから生まれたリサイクル素材の活用が、続々と増えています。
今回は、サステナブルな洋服作りを行うKAPOK KNOTが、ペットボトルを洋服にする方法や、その洋服がどこで手に入るのかをご紹介したいと思います!
ペットボトルをリサイクルする方法
まず、ペットボトルそのもののリサイクル方法から見ていきましょう。ペットボトルのリサイクル方法は、大きく分けて2種類あります。
一つ目は、水平リサイクル(ボトルtoボトル)。回収したペットボトルを一度原料に戻し、再びペットボトルを作ります。
作り方としては、洗浄・粉砕したペットボトルを一度分子レベルまでバラバラにしPET樹脂として再生する「ケミカルリサイクル(化学的再生法)」と、粉砕後に高温加熱し、PET樹脂に付着した汚染物質を除去しながら小さな粒状にする「メカニカルリサイクル(物理的再生法)」の2つに分かれます。
二つ目は、カスケードリサイクル。回収したペットボトルを洗浄・粉砕してフレーク状にし、ペットボトル以外のさまざまな製品に生まれ変わらせる方法です。代表的な再生品としては、食品用トレイや卵のパック、台所用洗剤のボトルなどの他、衣服やバッグなどに使われる繊維への活用も含まれます。
このようにリサイクルを行うためには、私たちが正しく分別排出しなければなりません。ここで改めて、正しいペットボトルの分別排出方法をご紹介します。
①キャップは必ず外して、ラベルもできるだけ剥がす
②中をすすぐ
③横方向につぶす
④市町村のPETボトル収集日に排出する
◎キャップの下のリングは取り外しにくいため、無理に取る必要はありません
◎白い飲み口のペットボトルも、そのまま出してOK(白い部分もリサイクル可能)
ペットボトルを洋服にするには
ペットボトルを洋服に生まれ変わらせる過程では、粉砕・洗浄したペットボトルを溶かし、再生ポリエステル繊維にします。
この再生繊維についても、さまざまな化学・素材メーカーが競って開発しています。一例をご紹介しましょう。
■「ECOPET®️」/帝人フロンティア株式会社
出典:帝人フロンティア株式会社
「ECOPET®️」は、使用済みペットボトルや、不要な衣料品、繊維クズなどを原料としたリサイクル繊維です。1995年から販売され、国内のリサイクル繊維の中で最も長い歴史を持つと言われています。速乾性・保温性などの機能面で優れいている素材や、膨らみ、ハリ・コシなどの特徴を持つ感性素材など、幅広い種類の糸・綿があります。
■「&+®️」/東レ株式会社
出典:東レ株式会社
「&+®️」は、東レが2020年から本格販売を開始した再生繊維。これまでも、東レではリサイクル繊維を販売していましたが、「&+®️」では新たに独自開発した「リサイクル識別システム」を導入しトレーサビリティーを担保。繊維原料に特殊な添加剤をフットプリントとして投入することで、「&+®️」であることの検知を可能にしました。
ペットボトルから生まれた洋服の例
それでは、実際にペットボトルからできた洋服をご紹介します。
■UNIQLOのフリースアイテム
出典:UNIQLO
UNIQLOを一躍有名にした商品の一つ、フリース。フリースがポリエステルから作られていることは、ご存知の方も多いと思います。
2020年から、UNIQLOはペットボトルから生まれた再生ポリエステルの使用を開始。「ファーリーフリース」には、生地の30%にこの再生ポリエステルが使用されています。
その他にも、「ドライEX ポロシャツ」「ドライEXクルーネックT」といった、速乾性を売りにしたアイテムにも、再生ポリエステルが一部使われています。
■Reimaの子ども服
出典:Remia
Reimaは75年の歴史を持つ、フィンランド発の子ども服ブランド。子どもにとって安全かつ快適な洋服を作り続けるのと同時に、子どもたちが暮らす未来を守る取り組みにも力を入れています。
そんなReimaが活用するサステナブル素材の一つが「REPREVE繊維」。ペットボトルから作られた繊維で、通気性・熱の調節・クッション性・防臭効果などを持つ高機能な素材です。
Reimaではこの繊維と他素材を組み合わせ、UVカット効果のある水着やTシャツ、トレーナーなどのリサイクル商品を作っています。
■going plusのセットアップスーツ
出典:going plus
going plusは、ビジネスパーソンがビジネスの場でサステナブルな選択ができるよう、環境負荷に配慮したさまざまな商品を提供するブランド。その出発点となったのが、リサイクルペットボトルを活用した再生ポリエステル100%のセットアップスーツです。
100%ペットボトルというのは、これまで他ブランドでは行われてこなかった取り組みです。このスーツを一着作るのに、約16本のペットボトルが再利用されています。
また、再生ポリエステルならではの特徴も。吸水性に優れているため、夜に洗濯しても翌朝には乾いていたり、シワになりにくい特性があるため、スーツケースに折り畳んで入れてもシワが目立たなかったり。従来のビジネススーツにはない、付加価値を兼ね備えています。
まとめ
技術の進歩により、従来の素材にはない付加価値を持ち始めたリサイクル繊維。アパレル業界でも多くの企業が取り入れ始めています。環境負荷を下げられるのはもちろん、機能性にも優れた商品が次々と生まれていることが、伝わりましたでしょうか。
そして、リサイクル繊維を含む環境負荷の低い商品に実際に触れていただけるストアが渋谷にあるKAPOK KNOT MIYASHITA PARK STOREです。
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- [住所] 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目 20-10 SOUTH 2F
- [営業時間] 11時30分~20時30分
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