「KNOT a DAY」冷蔵庫とフードロス
6月21日が何の日か、みなさんご存知でしょうか。
一つは「夏至の日」。そしてもう一つは「冷蔵庫の日」!夏至は、梅雨から夏への節目であり、一年で一番冷蔵庫が稼働する日であるということから、日本電機工業会(JEMA)によって制定されました。
植物由来の洋服作りを通じて、誰もが気軽にサステナブルな生活を実績できる世界を目指すKAPOK KNOTは、身近からできるサステナブルな取り組みについても発信していきます。
今回は「冷蔵庫の日」にちなみ、冷蔵庫×フードロスという観点で、私たちにできることをご紹介します。
〜本記事の内容〜
・フードロスの現状
・フードロス削減が必要な理由
・フードロスの原因
・フードロスを減らす冷蔵庫の使い方
・それでも残ってしまった食材を活かすために
・まとめ
フードロスの現状
まだ食べられるのに、捨てられてしまう食べ物のことを指す「フードロス(食品ロス)」。今、世界では食料生産量の3分の1に当たる、年間13億トンの食料が廃棄されています。日本でも年間約612億トンのフードロスがあり、これは東京ドーム約5杯分、日本人1人当たりお茶碗1杯分の量が毎日捨てられている計算になります。
フードロスは、大量の食品が無駄になるということ以外に、環境にも悪影響を及ぼします。余った食べ物は可燃ゴミとして処理されますが、水分を含む食品は運搬時や焼却時に多くの二酸化炭素を排出。焼却後の灰の埋め立ても、大きな環境負荷となっています。
食品ロス削減に関する取り組みは、2015年の国連サミットにて採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の中にも、組み込まれています。SDGsの169のターゲット(達成基準)の一つである「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」という目標。この達成には、事業者などの取り組みだけでなく、国民一人ひとりの意識改革が必要です。
フードロスの原因
フードロスが起こってしまうのは何故か。日本における原因は主に2つ。事業系食品ロスと家庭系食品ロスです。
事業系食品ロスは、スーパーやコンビニなど食料品店での売れ残りや、飲食店での食べ残し、売り物にならない規格外品などのこと。これが約328万トンを締めます。
家庭系食品ロスは、家での食べ残しや、購入したが食べずに捨てられてしまうもの、料理の時にゴミとして捨てられている食べ物などのこと。これが残りの284万トンです。
2つ目の原因については、私たちの努力で少しずつ減らしていくことが可能です。冷蔵庫の使い方という観点で、すぐに実践できる取り組みをご紹介します。
フードロスを減らす冷蔵庫の使い方
フードロスを減らすためにできる、冷蔵庫の使う時の工夫を二つ紹介します。それは「中身の見える化」と「使い切るための保存方法」です。
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
①中身の見える化
家の冷蔵庫を見てみてください。物陰に隠れてしまっている食品はありませんか?
こうした冷蔵庫の中の“死角”をなくすことで、買ったことを忘れて、捨てることになってしまう食品を減らすことができます。
<見える化するために、できることは?>
・小さいものは、カゴに入れてまとめる!
・常温保存できる調味料は、入れない!
・余ったおかずは、中が見える透明な容器に保存!
・賞味期限の近いものは、目立つ場所に!
② 使い切るための保存方法
食材が余って捨ててしまうケースはどうでしょう。その場合は、購入後の保存方法を工夫してできるだけ新鮮な状態を保ち使い切りましょう。
■肉や魚の保存方法
トレーから出して、ラップまたはフリーザーバックに入れて冷凍します。その際、霜がつかないよう空気を抜いて、薄く平らにします。
■野菜の保存方法
小松菜・ほうれん草などの葉物野菜は、使いやすい大きさに切りそのまま冷凍できます。白菜・キャベツなどの水分が多い野菜は、芯や切り口に湿らせたキッチンペーパーを被せ、ラップに包んで野菜室に入れると、乾燥せず長持ちさせることができます。
■パンの保存方法
すぐに食べきれない場合は、ラップやフリーザーバックに一つずつ入れて冷凍します。自然解凍した方がふんわり焼けますが、凍ったままトースターに入れてもOKです。
※繰り返し使える蜜蝋ラップなら、よりサステナブル!(布に蜜蝋や植物性オイルを染み込ませたもの。手で温めると柔らかくなり器や食材をラップするのに使えます)
※冷蔵庫を整理する際は、開けたままにならないよう気をつけましょう。また、冷凍食品や生ものは出しっぱなしにならないように気をつけてください。
※消費期限や賞味期限を確認しましょう。消費期限は「食べても安全な期限」を指すため、期限切れの場合は食べずに廃棄してください。賞味期限は「おいしく食べられる期限」のため、過ぎてもすぐに廃棄せず、食べられるかどうか個別に判断しましょう。
参考:めざせ!食品ロス・ゼロ「家族みんなで、冷蔵庫のお片付けをしよう」|消費者庁
それでも残ってしまった食材を活かすために
頑張って冷蔵庫を整理しても、どうしても残ってしまう食材。これらを無駄にしないために、行われている取り組みがあります。
◯フードドライブ
家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄り、それらをまとめて地域の福祉団体や施設、フードバンクなどに寄付する活動。
貧困や家庭の事情など、さまざまな理由で食事に不自由されている方々の支援に活用されます。
※日本での取り組み:セカンドハーベスト・ジャパン
◯サルベージパーティー
サルベージには「救い出す」という意味があります。まさしく家に余っている食材を「救い出す」ために持ち寄り、調理した料理でパーティーを行うことです。参加者自身で調理することもあれば、プロのシェフが調理してくれる会もあります。
今のご時世はみんなで集まることが難しいため、サルベージパーティーで作られているようなメニューをオンラインで作る「サルベージ・ラボ」という取り組みも行われています。
※日本での取り組み:一般社団法人フードサルベージ
まとめ
大量の無駄を出すだけではなく、環境破壊にも繋がってしまうフードロス。
特に二酸化炭素の排出については、KAPOK KNOTの洋服作りの過程でも留意している点です(現在行っている取り組みについては、こちらの記事をご覧ください)。
今回ご紹介した冷蔵庫の工夫のように、私たち一人ひとりの努力がフードロスの削減につながります。ぜひ今日から、実践してみてくださいね!